未来ある山梨の子供たちのために!!

山梨県議会(令和3年2月議会)・予算特別委員会

(令和3年3月18日総括審査②)

1.県有財産の収益力向上について

 地方自治法第149条で「財産を取得し、管理し、及び処分すること」は、普通公共団体の長の権限とされています。また議会は、地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担うものとして、相互にけん制しあうことにより、地方自治の適正な運営を期することとされています。

 

 私は、全国を見ても稀な長期貸付であること、昭和2年から貸し付けが開始されていて、この間に払い下げなどの何らかの方法がとられていなかったことが、県政史上最大の課題として残ってしまった要因であり、この様な事態が起きたのだと思っています。

 

 平成19年にも問題視された経緯があると承知しています。私は、土地算定は、間違いがあるという県の主張を理解し、問題を先送りせず、正面から向き合う勇気を持つ長崎知事を評価します。

 

 そこで、今回の訴訟は、県有財産の収益力向上に不可欠なものであると思いますが、今後、県有財産の収益力向上をどのように図っていくのかお尋ねします。

(長崎知事)

 県が所有いたします土地、施設、さらには長年にわたる行政運営により蓄積されてきました知識ですとか技術など、これら全て県民の皆様の血税により取得、維持、そして管理されてきたものであります。いわば81万県民全体の財産である、このことにつきましては論をまたないところであります。

 

 この県民全体の財産から生み出される利益につきましても、当然のことながら、ほかでもない県民自身に還元されなければなりません。県は、県民の皆様からお預かりをいたしました県有資産を、今委員が御指摘されましたとおり県民生活の向上のために、最大限に活用する責務があります。

 

 このため、今般、県内外の有識者で構成する検討会を設置し、最新の知見と豊富な経験から、県有資産の価値向上のためのグラウドビジョンや、具体先について御提言をいただきたいと考えています。

 

 この会議におきましては、本県が全国に、あるいは世界に対して誇り得るもの、既にあるものを掘り起こし、しっかりと磨き上げる、付加価値をつけていく、こういう視点で県有資産から、いかにして県民全体の利益を、これまで以上に生み出していくのか、活発な御議論をしていただきたいと考えます。

 

 また、県有資産の収益力を向上させるため、例えば県による公共投資や、あるいは諸般プロモーションなど、県として何ができるか、何をするのが有効なのか、こういう問題につきまして、御提言をいただきたいと考えております。


 これからの推移や状況、新たな発見など裁判遂行上、説明いただけない部分はあると思うが、県民、県議会に丁寧な説明をお願いします。

2.ドクターヘリ運用事業費について

①ドクターヘリの実績について

 ドクターヘリは平成24年4月に運用を開始し、来年度で十年を向かえますが、県下全域で活躍する姿を頻繁に目にするなど、今や本県の救急医療に欠かせない重要なものとなっております。そこで、これまでの運用実績について伺います。

(小島福祉保健部長)

 令和元年度のドクターヘリの出動状況、件数につきましては498件でございます。ドクターヘリの運航を開始いたしました平成24年度の出動件数382件と比較をいたしますと116件、約30%増加をしてございます。また、運用開始から令和元年度までの8年間の平均の出動件数を見ますと約480件でございます。


コロナ禍の中での対応、運行状況について

 新型コロナウィルス感染症の拡大の中、ドクターヘリの運用上、どのような対応を取っているのか。また、今年度の運行についてはどのような状況にあるのか伺います。

(小島福祉保健部長)

 ドクターヘリの乗員につきましては、マスクや防護服を着用するなど、万全の感染対策を行っておりますが、限られた搭乗員への感染を避けるために、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者さんの搬送につきましては、これまで可能な限り救急車での対応をお願いしてきたところでございます。

 

 しかしながら、今般徹底した感染対策の実施等によりまして、今月8日からは、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者さんにつきましても、ドクターヘリで搬送することといたしたところであります。

 

 また、本年度の出動件数は、先月までに380件でございまして、昨年度の同期と比較をしますと93件の減少でございます。


③来年度の予算措置について

 令和三年度当初予算は二億九千四百万余であり、令和二年度予算と比較すると約四千万円ほど増額となっていますが、その要因について伺います。

(小島福祉保健部長)

 ドクターヘリの運航経費につきましては国庫補助の対象となっております。国は、今般、来年度のドクターヘリの重要性に鑑みまして、飛行時間に応じた増額措置を来年度行ったところでございます。これに伴いまして、本県におきましても、ドクターヘリの適切な運航を図るために、国補基準どおりに予算額を増額したものでございます。


④これまでの取組と今後の対応について

 ドクターヘリの運用体制の充実に向けて、これまでどのような取り組みを行ってきたのか。また、今後さらなる充実に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。

(小島福祉保健部長)

 まず、これまでの取り組みといたしましては、ランデブーポイントの拡充に努めてきたところでありまして、登録数につきましては、運航開始時点の335カ所から、昨年度末までには446カ所、111カ所増加をしてございます。

 

 また、平成26年度からは、医療体制のさらなる拡充をするために、神奈川県、静岡県と3県によりますドクターヘリの広域連携の運用を開始してございます。さらに、平成29年度には、効率的で安全な運航を図るために、県立中央病院の屋上に給油基地を設置いたしました。

 

 今後も、ランデブーポイントの拡充や他県との連携を進めてまいりますとともに、搭乗する医師・看護師の資質向上等に努めまして、ドクターヘリの安全・迅速な運航を図ってまいりたいと考えております。


 今後ともランデブーポイントの拡充をさらに進めていくということであったり、また、COVID-19にも対応できるということであります。この山梨県、どこにいても同じ水準の医療が受けられるこの体制を、ぜひとも拡充していただきたいと思います。

3.子ども食堂の活動支援について

①子ども食堂の再開状況について

 子供の貧困対策推進事業費について伺います。私は昨年の十一月議会の一般質問で、地域における子どもの居場所づくりについて尋ねました。

 

 その中で子どもの食堂の活動グループとしても広がりを見せ、活発化していることを知りましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大による影響を受け、子ども食堂としての再開はまだ都留市の一箇所だけだとお聞きしたところです。

 

 県では、再開に向けた様々な支援策を講じているとのことでしたが、その後の子ども食堂の状況について伺います。

(依田子育て支援局長)

 県内で初めて10月に再開をしました、都留市内の子ども食堂でございますが、その後、市内で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生したということがありまして、12月と1月は再度休止を余儀なくされたわけですが、2月以降、改めて再開をしているところでございます。

 

 また、南アルプス市内の子ども食堂が、アクリル板などの設備を導入しまして、参加者の3密を避けるということで、4回に分けて開催する形をとりまして、感染防止対策を講じた上で、冬休み期間中に再開をいたしたところでございます。

 

 なお、再開事例ではないんですが、富士吉田市では、新型コロナウイルスの影響を受けた子供たちを支援しようということで、先月新たに子ども食堂が開設されまして、当日は多くの子供たちの利用があったというふうに聞いております。

 

 しかしながら、いまだに再開をちゅうちょしている団体も多いということで、先週、子ども食堂運営者等を対象とした研修会を開催しまして、活動再開した都留市の運営者から、感染防止対策のノウハウを直接聞く機会を設けたところでございまして、引き続き再開に向けた支援を行ってまいります。


②孤立化防止への支援について

 第三波の影響があり、まだまだ食堂の運営者の方々も慎重にならざるを得ない状況がうかがえますが、運営者の方々は、食堂の開催が困難な中においても、お弁当の配布や食材を配るフードパントリー活動などを行ってひとり親家庭などを支えています。ひとり親家庭などの孤立が特に心配されますが、県ではどのような支援を行うのか伺います。

(依田子育て支援局長)

 1月に、「知事と語るやまなしづくり」を開催しまして、子ども食堂の利用者の意見を知事が直接伺ったところでございます。参加者からは、新型コロナウイルスの感染拡大以降、外出自粛などの影響で、ひとり親家庭同士の交流の機会が失われて、親子ともども大きなストレスを感じているという意見を伺いました。

 

 一方で、子ども食堂グループが実施しましたGoToパークというイベントですが、子どもたちが大きな公園で伸び伸びと遊ぶことができ、またボランティアの学生に、子どもの面倒を見てもらったということで、親としても久し振りに休息がとれたというようなお話も伺いました。

 

 こうした取り組みは、新型コロナウイルスの影響により、ますます孤立しがちなひとり親家庭の精神的・身体的負担を軽減する一助になるということですので、県下各地に広がっていくよう、来年度からNPO等が行うこのような活動に対して、新たに助成を行うこととしたところでございます。


③子ども食堂の開設への支援について

 今般の新型コロナウィルスの感染拡大は、孤立、孤独の問題を浮き彫りにし、人々のつながりの大切さ、地域での居場所づくりの重要性を私たちに実感させました。子どもの食堂は、そのような課題を解決するために大変有意義な取り組みであると考えており、県内全域へのますますの拡大が望まれるところです。そこで、子ども食堂の開設を促進するための支援について伺います。

(依田子育て支援局長)

 県では、子ども食堂などの子供の居場所の開設を促進するために、本年度から新たに開設経費の一部を補助する制度を創設しております。

 

 しかしながら、子ども食堂を運営する団体は、資金力の乏しい団体が多いということで、特に本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷などから、自己資金の確保が難しいというような課題も見えてきました。このため、来年度は運営者の負担が極力生じないよう、制度を見直すということとしておりまして、市町村とも連携して、開設経費全額を補助できるようにしていきたいというふうに考えております。

 

 また、本年度初めて実施しました子ども食堂の実態調査を契機としまして、子ども食堂のネットワーク団体には、県内各地から新規開設についての相談も寄せられております。

 

 今後は、ネットワーク団体とも連携しながら、こうした方々に運営ノウハウの提供を行うなど、さまざまな視点から開設支援を行っていきたいというふうに考えております。


4.やまなし縁結びサポート事業費について

①本県の結婚支援に係る取り組みと成果について

 我が国の少子化の進行は、深刻さを増しており、その主な要因としては、若い世代での未婚化や晩婚化の影響が大きいと言われ、本県においても同様の状況にあります。加えて、コロナ禍において、外出やイベントの自粛により、若者の出会いの場が縮小するとともに、感染への不安から結婚式が見送られるなど、少子化が一層加速するのではないかと危惧しているところであります。そこでまず、これまでの本県の結婚支援に係る主な取り組みとその成果について伺います。

(依田子育て支援局長)

 県では、これまで市町村の結婚相談員や、若者の結婚を支援する企業など約300の構成員から成る連携会議を設置しまして、結婚支援に必要なスキルアップや優良事例の横展開などを図ってきました。

 

 また、従業員の婚活を支援する婚活応援企業や、地域のボランティアである婚活応援隊と連携しまして、婚活に関するさまざまな情報を提供することにより、職場や地域において結婚を応援する機運の醸成を図ってきておりまして、若者の結婚を支援する取り組みは、着実に広がりを見せてきております。

 

 加えまして、平成27年1月に開設しました、やまなし出会いサポートセンターでは、相談支援やお見合いの仲介により93組の成婚につなげるなど、成果を上げてきましたが、さらに昨年11月からは、披露宴に対する「無尽でお助けキャンペーン」の適用によりまして、結婚を希望する男女への支援を強化しているところでございます。


②やまなし出会いサポートセンターの会員の拡大に向けた取り組みについて

 県でも様々な取り組みを進めていることは分かりました。特に、このような状況の中では、若い世代の未婚化・晩婚化を改善する取り組みとして、「やまなし出会いサポートセンター」の役割は重要と考えます。これまでに、九十組以上を御成婚に導いてきたとのことであり、大きな成果が出ていると考えています。

 

 一方で、センターの登録会員が国中地域に比べ富士・東部地域での伸びが鈍いといった課題があると聞いています。そこで、「やまなし出会いサポートセンター」の会員について、全県的な浸透を図るため、どのように取り組まれているのか伺います。

(依田子育て支援局長)

 県では、センターの認知度を高めるために、新聞広告やテレビCMなどのさまざまな媒体を活用して県内全域への浸透を図るとともに、入会しやすい環境を整えるということで、女性や若者を対象とした割引制度を設けるなど、会員の拡大に向けた取り組みを推進しているところでございます。

 

 また、センターでは、県内の主な企業50社以上を訪問するとともに、昨年11月に設立しました子ども・子育て応援県民会議の構成団体を通じまして、企業や団体に対し、センターの積極的な利用を働きかけてまいりました。

 

 加えて、今後は企業の若手社員がグループ単位で交流しながら、センターの会員として登録する新たな仕組みを構築するとともに、民間の結婚相談事業者とのさらなる連携強化の方向性についても、研究していきたいというふうに考えております。


③新たな結婚支援事業の内容と効果について

 センターが全県的に浸透するような更なる取り組みをお願いします。

 

 コロナ禍が長期化し、ステイホームや様々な活動の自粛が求められている中で、孤立することへの不安を感じている方も多いのではないかと思います。しかし、その一方で、内閣府の調査では、二十代の若い世代において、結婚への関心が高まったといった報告もあり、こうした動きを好機と捉え、新しい生活様式を踏まえた結婚支援に取り組むことが必要と考えます。

 

 今回、県では、新たな事業に取り組むこととしていますが、どのような効果を期待しているのか伺います。

(依田子育て支援局長)

 現在、出会いサポートシステムを利用するためにはセンターに来館する必要があるということですが、新型コロナウイルスの影響下におきまして閲覧者が約3割減少しまして、特に緊急事態措置が実施された昨年5月は6割以上減少したという状況にございます。

 

 ポストコロナ時代の到来は、若者の結婚への行動を一層抑制しかねないということで、未婚化・晩婚化の加速が懸念されることから、新たにオンライン相談などの新しい生活様式を踏まえた取り組みを強化することといたしました。具体的には、スマートフォンを使った会員登録やオンラインのお見合いが可能となるよう、既存システムの高規格化を図るともに、これまでの個人登録に加えまして、先ほども申し上げましたが、新たにグループ登録の仕組みも設けることといたしました。

 

 こうした改善によりまして、利用者の選択肢が広がり、新たな出会いの機会が拡大することから、新システムの周知を図りまして、結婚を希望する男女の希望をかなえていきたいというふうに考えております。


5.親元就農者経営安定支援事業費補助金について

①親元就農者の状況について

 本県農業を維持・発展させるため、県ではこれまで、本県への就農意欲のあるものに対し、就農相談や研修制度の充実、農業次世代人材投資資金などの国補助金の活用等により支援してきました。

 新型コロナウィルス感染症により、地方への移住等の関心が高まる中、東京圏等から本県に就農する新規参入者を確保しつつ、本県の果樹等の高度な栽培技術を円滑に継承できる親元就農者を確保していく必要があると考えますが、まず、親元就農者の状況について伺います。

(坂内農政部長)

 令和元年度の新規就農者307名いるわけですけれども、そのうち自営就農者は145名、このうち農家子弟の親元就農者は81名で、自営就農者の56%を占めています。親元就農者のうち一度他産業に就職した後、中途退職して就農した者、いわゆるUターン就農者につきましては64名であり、79%を占めています。農業法人等への雇用就農者が年々増加する傾向にある一方で、50歳未満の親元就農者数は50名前後で推移しており、農家子弟が多数存在する中で頭打ちの状況にあります。


②本事業の創設の考え方と事業内容について

 次に、当事業は親元就農者の確保・育成及び定着を促進するため、国の支援制度の対象外となる新規親元就農者を支援するものであるとのことですが、この事業の創設の考え方と事業内容について伺います。

(坂内農政部長)

 本県農業を将来に向けて維持発展させるため、特に30代から40代の農家子弟の親元就農を支援することによりまして、確実に経営継承を進めていくことは重要と考えております。

 

 しかしながら、新規就農者への経済的な支援を目的とする国の農業次世代人材投資資金交付制度は、同一品目による規模拡大は認めないなど、親元就農者の活用が困難であることから、本年度7月と11月の2度にわたり、農林水産大臣に、知事が直接交付要件の緩和について要望したところであります。

 

 ただ、現時点では、親元就農者の交付要件の緩和には至っていませんことから、県独自に新たな事業を創設して、新規の親元就農者を支援する市町村に補助金を交付することとし、親元就農者1人当たり、県と市町村で合計100万円を支援することとしています。


③今後の親元就農者の確保について

 この事業の創設の考え方と事業内容についてはよく分かりました。最後に、県ではこの事業を踏まえ、今後の親元就農者をどのように確保していくのか伺います。

(坂内農政部長)

 親元就農者は、経営主である親の農業技術の伝承や農地、農業用機械等の資源の円滑な継承が比較的容易であり、高品質な農産物の安定生産や所得向上、耕作者不在による荒廃農地の未然防止などにつながることが期待されます。

 

 本事業の活用により、親元就農者の就農後の収入低下など経済的な不安の解消が図られることから、年間で従前の親元就農を超える約60人の新規の親元就農者を見込んでおります。

 

 農家子弟のUターンによる親元就農は、本県への移住定住にも結びつくことから、本事業について市町村やJAによる農業者への周知や、県の就農魅力発信ホームページ等でのPRを行いまして、本県農業の活性化を図ってまいりたいと考えております。


本県農業の将来のため、農家子弟の親元就農の促進が図られることを期待します。

6.山梨「ワイン県」PR事業について

①山梨「ワイン県」PR事業の今年度の取り組みについて

 一昨年の八月七日に県は「ワイン県」を宣言されました。市内にワイナリーが点在する私の地元である甲州市も脚光を浴びており非常に喜ばしいことであります。本県の国産ワインの生産量やワイナリーの数が日本一であることは、広く知られておりますが、一方で、本県が「ワイン県」宣言をしたことが、まだ十分浸透していないと感じており、PR事業の重要性を痛感しているところです。

 

 そこでまず、今年度の山梨「ワイン県」PR事業の取り組みについて伺います。

(中澤観光文化部長)

 「ワイン県」宣言から1周年となる昨年8月7日に、記念花火の打ち上げに合わせまして、県内ワイナリーで活躍する女性醸造家による公開テースティングを配信するオンラインイベントを開催いたしまして、約5,000人の方が視聴していただきました。また、ワイナリーやワインと食が楽しめる飲食店舗を掲載したウエブマップの作成、それから配信などを実施いたしたところでございます。

 

 この事業以外にも、昨年7月13日には、東京日本橋にワインと県産食材のマリアージュを楽しむアンテナレストラン「Cave deワイン県やまなし」をオープンいたしまして、都内における情報発信拠点としたところでございます。

 

 さらに、国税庁主催で全国のワイン愛好家が集まったオンラインイベントには、知事みずからが本県ワインの特徴や魅力を語るビデオメッセージを送りまして、「ワイン県」PRをいたしたところでございます。


②山梨「ワイン県」PR事業における来年度の取り組みについて

 近年は、北海道や長野県などがワインを観光資源とする観光施策を推し進めていることから、これらの地域との差別化を図るプロモーションを行い、本県の「ワイン県」としての地位やブランドイメージを確立していく必要があると考えます。

 

 そこで、山梨「ワイン県」PR事業の来年度の具体的な取り組みについて伺います。

(中澤観光文化部長)

 来年度は、「ワイン県やまなし」ならではの他の地域にはない多様性を積極的に打ち出したプロモーションを展開したいと考えております。具体的には、今年度作成したウエブマップを活用するなどして、県内ワイナリー等の収入を促す取り組みや、ジビエ、フルーツなどの魅力ある食材や、豊かな自然景観とワインを絡めましたプロモーションなどを実施する予定であります。

 

 さらに、インバウンド観光が再開するタイミングで、航空機の機内誌や外国の旅行誌等に、紀行文形式でワイン県の魅力を掲載する情報発信事業等も検討していきたいと考えております。

 

 本県の豊かな地域資源とワインを関連づけ、本県ならではの上質な時間の過ごし方を提案することで、本県に来なければ体感できない魅力をPRしまして、本県観光の高付加価値につなげてまいりたいと考えております。


③地元関係者と連携した山梨「ワイン県」PRの推進について

 「ワイン県」を通じて本県のブランド価値が更に高まることを期待いたします。最後に、「ワイン県」山梨の推進には、ワイナリー、飲食店、宿泊事業者や市町村など地元関係者としっかり連携して推進していくことが重要だと思います。地元関係者との連携について県の考えを伺います。

(中澤観光文化部長)

 ワインに一番詳しく、その魅力を誰よりも理解しているのは、醸造家の方々でありまして、そのワインと消費者をつなぐ現場を理解しているのは、飲食店や宿泊事業者の方々であるというふうに考えております。

 

 今後も、「ワイン県」のPRについては、ワイナリー関係者だけではなく、地元市町村、宿泊施設、飲食店等、さらには県内で催されるワインツーリズムや新酒まつりなどでのワイン関連イベントとも連携を深めまして「ワイン県やまなし」の地位やブランドイメージの確立を図ってまいります。


7.ブロック塀等安全確保対策支援事業費補助金について

①ブロック塀の状況について

 大規模地震発生時には、救命活動や救援物資の搬入を迅速に実施するため、緊急輸送道路等の通行確保は極めて重要であります。道路に面しているブロック塀は、倒壊した場合、道路を閉塞するばかりでなく、通行している人の命を一瞬のうちに奪う恐れさえあります。

 

 県では、市町村と連携し、ブロック塀の調査を実施していると聞いておりますが、調査において把握したブロック塀の状況についてお伺いします。

(大儀県土整備部長)

 昨年6月から8月にかけまして、市町村と連携して627の緊急輸送道路や避難路を対象に、職員が道路から目視することによりブロック塀の安全点検を実施いたしました。その結果、高さが設計基準の2.2メートルを超えるブロック塀や、ひび割れ、たわみなど構造上問題にあるブロック塀が4,609カ所のうち396カ所において確認されたところでございます。


②補助制度の概要について

 いつ発生するか分からない地震に備えて、ブロック塀の安全対策を迅速に進めていく必要があります。

このためには、改修費や除却費に要する所有者負担を軽減するための補助制度が必要不可欠だと考えます。そこで、新年度に、どのような補助制度を設けているのかお伺いします。

(大儀県土整備部長)

 緊急輸送道路や避難路に面したブロック塀で、点検で明らかとなった対策が必要な396カ所を対象に、所有者が行う補強や撤去工事に対しまして、新年度から新たに補助制度を設けることとしております。具体的には、工事費の3分の2、最大30万円を限度に、国の交付金を活用して県と市町村が補助することといたしまして、まずは、市町村から要望のあった特に緊急性が高い80カ所分の予算を計上したところでございます。


③県の取り組みについて

 補助制度を活用して、所有者がブロック塀の安全対策を講じて頂くことを説に望みますが、行政としても所有者任せにするのではなく、改修等の実施の有無をしっかりと把握していくことが必要であります。そこで、ブロック塀の安全対策を促進するための県の取り組み方針について、お伺いします。

(大儀県土整備部長)

 危険なブロック塀対策の重要性を所有者に御理解いただくことが肝要でございますので、具体的な補強方法や補助制度、災害時の緊急輸送道路の役割などにつきまして、ダイレクトメールなどによって周知を図ってまいります。また、危険なブロック塀対策の実施状況を市町村と連携して定期的に把握するとともに、地域防災力向上の観点から、地区の防災リーダーや自治体職員とともに、所有者に必要性を説明するなど、対策の促進を図ってまいります。

 

 このような取り組みによりまして、おおむね3年で緊急輸送道路や避難路に面したブロック塀の安全を確保する予定としてございます。


8.高齢者の電話詐欺被害防止対策について

高齢者の安全対策費について

 高齢者の安全対策事業費のうち、電話詐欺被害防止対策についてであります。昨年の全国の刑法犯認知件数は、新型コロナウィルス感染症の拡大による社会情勢が大きく変化する中、戦後最少を6年連続して更新したと伺っております。

 

 また、電話詐欺についても、全国の被害は、件数や被害額が減少してきていると承知しております。一方で、山梨県の電話詐欺の被害につきましては、未だ高い水準で多くの高齢者が被害に遭っており、特に被害額については、前年を大きく上回るなど、社会全体でその対策に取り組まなければならない深刻な問題であると受け止めております。

 

 県警察では、これまでも犯人の検挙や被害の未然防止対策などに取り組んでおり、最近では、山梨県薬剤師会と連携して、高齢者を中心とした薬局を訪れる方々へ、電話詐欺への警戒を高めていただくための薬袋に押す注意喚起スタンプを寄贈したと承知しております。

 

 そこで、電話詐欺被害から高齢者の安全・安心を確保するための事業の具体的な取り組みについて、お伺いします。

(大窪警察本部長)

 今回予定しております事業は、電話機に取りつけて被害の未然防止を図る自動通話録音機器の貸し出しと、広く県民に電話詐欺の巧妙な手口を周知する啓発用DVDの作成の2点でございます。

 

 まず、自動通話録音機器は、固定電話に着信があった際に電話詐欺に対する警告音声を流し、通話内容を録音することで、高齢者が犯人と会話する前に、その犯行を断念させ、被害を防止するものでございます。多くの高齢者が手口を知っていても、犯人の話術にだまされていることから、本機器の貸し出しを通じて被害防止につなげてまいります。

 

 次に、啓発用DVDは、犯行グループの手口について視覚に訴える動画を作成し、高齢者やその家族に注意喚起を行うことで、被害を防止するものでございます。県民に対する反抗手口の効果的な周知を通じて、電話詐欺の被害防止に対する社会機運を醸成してまいります。


②電話詐欺被害撲滅対策推進事業費について

 昨年の十一月定例会本会議において、私は消費者保護の推進について質問を行い、県からは、令和三年度からの第二次消費者基本計画において高齢者被害の未然防止を重点施策として必要な対策を講じていくとの答弁がありました。

 

 今回、新規事業として高齢者の電話詐欺防止に係る予算が計上されていますが、どう取り組んでいくのか伺います。

(丹澤県民生活部長)

 県では、詐欺の手口や対処方法などをホームページやテレビスポット等を通じまして紹介するなど、注意喚起を行ってまいりました。本事業につきましては、高齢者を狙った詐欺事案が依然多いことから、新たに電話詐欺の事例や電話がかかってきた場合の相談窓口などを掲載いたしましたリーフレットを作成し、高齢者の世帯に直接配布することにより、被害の未然防止につなげてまいりたいと考えております。


 高齢者が安全・安心に暮らすことができるよう、県警察や県はもとより、市町村、関係団体等と連携した取り組みをお願いします。

9.インターネット動画広報費について

①これまでの取組状況

 県では、本年度から新たに、インターネット動画広報事業に取り組んでいるところでありますが、本年度はどのような内容の動画を作成したのか。また、その成果はどうであったか伺います。

(渡邊知事政策局長)

 今年度は、若年層に高い人気を誇るユーチューバーでありますMINAMIさんを起用し、県の魅力を紹介する動画を配信いたしました。具体的には、ジュエリー、果物といった特産品や、スキー、乗馬などのアクティビティを、ユーチューブならではの手法を使い、若年層をターゲットに情報発信をしてまいりました。

 

 その成果といたしまして、これまで配信した動画は、平均10万回以上再生され、チャンネル登録者数も事業開始前の約3,500人から約4.5倍となります1万6,000人以上に増加したところであります。


②本年度生じた課題について

 事業を推進してきた中でさらに良いものにするための改善点はないのか伺います。

(渡邊知事政策局長)

 本年度事業を実施する中で2つの課題が明らかになりました。1点目は、配信直後に登録者数が増加するものの、時間の経過とともに減少してしまう傾向が見られたこと。2点目は、視聴状況の分析によりますと、視聴者の年齢層が10代に片寄っていたため、幅広い年齢層に視聴してもらうことができなかったことであります。

 

 これらの点につきましては、来年度の事業実施に当たりまして、改善してまいりたいと考えております。


③来年度の取組

 来年度のインターネット動画広報事業において、今の課題を踏まえて、より成果を上げるため、どのように改善して取り組んでいくのかうかがいます。

(渡邊知事政策局長)

 来年度は、配信頻度を高めまして、視聴者を飽きさせないようにするために、現在の月2回程度から倍増し、コンスタントに新しい動画を配信していくこととしております。

 

 また、より幅広い年代に視聴していただくように、若年層以外の方にも興味を持っていただけるような、バラエティーに富んだ企画で動画を制作してまいります。これによりまして、一人でも多くの方に、本県の山梨チャンネルに登録をしていただきまして、情報の発信力をより一層高めてまいりたいと考えております。


10.バイ・ふじのくに文化財交流事業費について

①昨年夏の観覧料半額キャンペーンの実績と効果について

 文化振興・文化財課所管の「バイ・ふじのくに文化財交流事業費」について、お伺いします。県では、昨年の夏、バイ・ふじのくにの取り組みの一環として、静岡県とともに、美術館や博物館などの県立施設の観覧料を半額にするキャンペーンを行ったと承知しています。取り組みの狙いも、今回の事業と同じく、両県の域内交流の推進であったかと思います。

 そこで、今回の新規事業の内容について触れる前に、先ず、昨年夏の観覧料半額キャンペーンの実績と効果について伺います。

(中澤観光文化部長)

 令和2年7月から8月にかけて行いました県立文化施設等の半額キャンペーンは、本県では県立美術館、文学館、博物館、考古博物館、リニア見学センターで実施いたしました。2カ月間のこの5館の観覧者数の合計は3万5,411人でありまして、そのうち3,842人の方がキャンペーンを利用していただきました。

 

 また、観光文化部所管の4館で実施した利用者アンケートでは約5割の方が、初めて美術館等に来館したと回答しておりまして、両県民に本県が持つ文化芸術資源の魅力を発信することができたのではないかと考えております。


②埋蔵文化財を活用した展示交流事業の具体的な事業内容について

 半額キャンペーンの行ったこの時期は、全国的に新型コロナウィルスの第2波による感染拡大を、一層警戒する状況下でありました。にもかかわらず、ただ今、答弁いただいたような実績があったことは、山梨県が持つ文化芸術資源を活用した観光誘客には、大きな可能性があるということだと思います。

 

 そこで、来年度の事業内容を見ますと、「埋蔵文化財を活用した展示交流事業」となっておりますが、具体的に、どのようなことを行おうとしているのか、その内容について、もう少し詳しくご説明をお願いいたします。

(中澤観光文化部長)

 縄文王国と称する本県には、縄文文化に関するさまざまな埋蔵文化財がありまして、一方静岡県には、本県以東で出土例がない弥生時代の銅鐸などの貴重な埋蔵文化財があります。このような特徴的な埋蔵文化財を、両県の文化施設や商業施設で展示いたしまして、その期間中は、これにまつわる講演会や子供も参加できるワークショップ等のイベントを行うこととしております。

 

 また、山梨・長野両県にまたがります日本遺産であります「星降る中部高地の縄文世界」の魅力をPRするために、特にすぐれた33点の土器や土偶をめぐりながら、人気の高い御朱印を集めることができる三十三番土偶札所めぐりについても、今年度に引き続きまして実施することといたしております。


 この事業をきっかけに、人の交流、文化の交流が、一層進むことを期待しています。

③交流事業の中央日本四県が連携して行うことの県の考え方について

 

 今後の展開について、質問させていただきます。本年度は、新型コロナウィルス感染防止の関係で、本県と静岡県、長野県、新潟県の中央四県では、国への緊急提言や年末年始に向けた共同声明を発表するなど、連携した取り組みを行ってきました。

 

 今後は、埋蔵文化財を切り口にした交流を、長野県や新潟県を含む中央日本四県で行うことができれば、より大きな効果が得られるのではないかと思います。私は、近い将来、今回の事業のような交流を、中央日本四県が連携して行うことができればよいと考えておりますが、最後に、この点について、現時点における県の感がをお聞かせください。

(中澤観光文化部長)

 長野県とは、先ほどもちょっと触れましたけれども、日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」に係る諸事業に取り組んでいるほか、考古博物館、県立博物館と長野県立歴史館とは、調査研究及び相互の資源活用等に関する連携協定を締結しております。

 

 また、新潟県では、世界的に著名な造形美を持ちます火炎型土器が出土しており、同じ縄文文化をテーマに本県と交流展示を行い、相互誘客に取り組んでおるところでございます。

 

 中央日本4県には魅力ある文化財が数多く点在しておりますので、これらを連携することによりまして、これまでの各県での個々の取り組み以上に、付加価値の高い文化観光コンテンツを提供できるものと考えております。

 

 そのためにも、まずは今回の静岡県との交流事業に取り組み、その成果をもとに、静岡県、長野県、新潟県の意見を伺いながら、今後の連携をしっかり検討してまいりたいと考えております。


(以上)