未来ある山梨の子供たちのために!!

山梨県議会(令和7年6月定例会)・代表質問

 県議会議員二期目の任期四年も折り返しを過ぎ、三年目を迎えることができました。心から感謝申し上げるとともに、今後も県政のさらなる推進に向け、一層の研さんに精進してまいる所存です。

 さて、私は、今月十日までベトナムの視察団に加わり、ハノイ市とイエンバイ省を訪問しました。イエンバイ省は、昨年二度にわたる訪問団の来県を受け、交流の深化に向け、今回は本県が訪問をしたものであり、労働者の教育を行う送り出し機関や、日本企業の海外輸出及び海外ビジネス拡大を支援しているジェトロハノイ、昨年の甚大な台風災害による土砂災害の現場などを視察し、様々な分野で交流を行ってきました。

 今回を契機として両県省がより連携を深め、発展の輪を広げることは、まさに本県が進める開の国づくりであり、あらゆる可能性を開花させていくものですので、今後の展開に大いに期待するところであります。

 また、先月二十八日には、長崎知事や県関係国会議員の御列席の下、社会資本整備推進山梨県議会議員連盟の臨時総会が永田町で開催されました。

 ここにおいでになる多くの県会議員が一堂に集まり、オールやまなしで社会資本整備を強力に推進するため、国土強靱化・予算の総枠確保を求めて、与野党に対して要望活動を行ったところです。

 私も議連の一員として、道路整備グループのリーダーを務めさせていただいておりますが、この活動が県の政策の柱であるふるさと強靱化を推し進めるものでありますので、微力ながら今後も力を尽くしてまいります。

 私は、議会や議員活動の中で、折に触れてスポーツを取り上げています。

 スポーツは、単なる運動や競技ではなく、心と体を鍛えるとともに、努力の過程や成長の実感こそが大きな魅力です。

 また、勝ち負けだけでなく、挑戦する勇気や諦めない強さ、フェアプレーの精神など、人生における大切な価値観を与えてくれます。

 そして、オリンピックのような競技大会では、世界中の人々が一つになり、感動を共有します。スポーツは、人と人とをつなぎ、心を動かし、人生を豊かにする力を持っていると信じています。

 長崎知事におかれましては、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」の実現に向けて、県民の生活・人生を豊かにするべく常に新たな施策に挑戦し、よりよい成果を求めて積極果敢に取り組まれていることに、改めて深甚なる敬意を表するところであります。

 私も、アスリートのときの気持ちを忘れず、努力を積み上げ、行動力を発揮し、県民の皆様が豊かさを実感できる環境をつくり上げていくため、知事とともに全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。

1.生活困窮者への支援について

 就労や心身の状況、地域社会との関係性などにより、経済的に困窮し、最低限の生活を送ることも困難な状況にある方々への支援は、長引く物価高騰の中、喫緊に取り組むべき重要な課題です。

 また、生活困窮の背景には、様々な要因が複合的に絡んでいることが多く、当事者も悩みながら生きてこられたと思われるため、その心情に寄り添いながら支援を行っていくことが必要と考えます。

 そこで、県が取り組む生活困窮者への支援について幾つか伺います。

 

 

 まず、生活困窮世帯の子供への学習支援についてであります。

 生活に困窮する世帯のうち、子供のいる世帯への支援は、現在の厳しい状況からの脱却だけでなく、将来その子供が同様の状況に陥らないためにも、特に重要と考えます。

 国でも、昨年、子どもの貧困対策の推進に関する法律の名称を、こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律に改め、子供の現在の貧困解消とともに、子供の将来の貧困を防ぐことを基本理念に盛り込んでいます。

 親から子供への貧困の連鎖を断ち切るためには、まず子供への学習支援が重要であり、子供には広い視野を持って進路を選択し、努力を積み重ねてほしいと私は強く願っています。

 先日、会派で、長崎県の独り親世帯の就労・生活・子育てを包括的に支援する自立促進センター、エールながさきを視察してきました。

 基本方針に、独り親家庭の誰もが希望するキャリアを築きながら自立できる社会の実現を掲げ、生活が厳しい世帯の親御さんとの信頼関係を築く体験談を伺いました。

 本県では、令和五年度から独自の取組として、生活保護を受給している世帯の子供を対象に、大学進学を念頭に置いた学習支援を実施していると承知をしております。

 私は、この取組に大きく期待をしているところですが、様々な家庭環境がある中、利用に向けた家庭への働きかけが容易ではないことも理解をしております。

 そこで、生活に困窮する世帯の子供への学習支援に対し、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。

(長崎知事)

  家庭の経済状況によって子供たちの将来の選択肢が制限されるような社会は、決して看過できるものではありません。この問題は、山梨という社会全体が構造的課題として受け止め、真正面から向き合う必要があります。

 どのような環境に生まれ育ったとしても、全ての子供は、その可能性を開く権利を等しく持っています。その機会を社会が保障することは、未来に対する責任であり、共に生きる地域社会の基本であると考えます。

 このような考え方の下、県ではこれまで、生活困窮世帯の子供を対象に安心できる居場所の提供を通じ、基本的な生活習慣の定着を促すとともに学習支援を行ってまいりました。

 子供が主体的に学習を進めるためには、自己肯定感と社会性の向上が重要であることから、本年度から体験活動も取り入れ支援の充実を図っています。

 また、生活保護世帯の子供の大学進学率が、一般世帯の約半分にとどまっているという現状を踏まえ、学習塾と連携をし、大学進学を見据えた学習支援も行っています。

 昨年度は八名が本事業で通塾をし、うち一名が大学へ、四名が高校へ進学するなど、一定の成果がありましたが、利用者の拡大が課題となっています。

 対象となる家庭には、福祉事務所のケースワーカーが直接訪問をし、事業の活用を促していますが、学習の意義が十分に伝わらないケースも一部で見られます。

 そこで、当事者である中学生・高校生向けにリーフレットを作成し、将来の夢を実現するために学ぶことや、進学の大切さを分かりやすく伝えていきます。

 加えて、保護者の理解も不可欠であることから、本事業に関心を持つきっかけとなる効果的な方策について、現在検討を進めております。

 これらの取組を通じまして、生活困窮世帯の子供たちが、環境によって可能性を閉ざされることなく、自らの力で未来を切り開き、貧困の連鎖を断ち切っていけるよう、社会全体で支え合う共感の形を具体化しながら、引き続き全力で取り組んでまいります。


 次に、生活困窮世帯の住まいの確保についてであります。

 過日、生活困窮世帯など、住宅の確保に特別な配慮が必要な方々、いわゆる住宅セーフティネット法に基づく住宅確保要配慮者が住まい探しに大変苦慮し、住居を確保できないという状況が報道されました。

 こうした方々は、頼れる身内や知人がいないため、入居手続に必要な保証人を確保できない、あるいは入居後のトラブルが懸念されるなど、様々な理由により入居を断られるケースがあると聞いております。

 住まいは、衣食住の中でも、人が生活を営む上で欠かせない基盤であり、住宅確保要配慮者が安心して暮らすためには、安定した住まいの確保に向けた支援が必要です。

 そこで、生活困窮世帯など住宅確保要配慮者の住まいの確保に向けた取組について伺います。

(長崎知事)

  住まいは、生活を立て直すための最も基本的な基盤であり、人が安心して暮らすための出発点でもあります。

 本県では、これまで生活困窮世帯を含む住宅確保要配慮者に対して、公営住宅の提供や民間賃貸住宅への入居支援などを行ってまいりました。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、こうした方々の事情が貸主側の不安につながり、入居を敬遠されるケースも少なくありません。

 また、現場の支援者からは、住宅支援と福祉支援が制度上分かれているために支援がつながらず、住まいの確保が円滑に進まないという声も寄せられております。

 こうした課題は、住まいを単なる住む場所としてではなく、暮らしを再建する土台と捉えたとき、決して軽視できるものではありません。

 貸主が安心して住まいを提供できる環境や、住宅と福祉の支援を包括的に提供できる体制の整備を丁寧に進めていく必要があります。

 このため、本県では、関係部局によるプロジェクトチームを先月十五日に設置し、居住支援体制の強化に向けた検討を開始いたしました。

 具体的には、物件探しから入居手続、入居後の見守りまでを一体的に支援できるワンストップ窓口の創設について検討を進めているところであります。

 今後は、住まいの確保を支援の終着点ではなく、生活再建の出発点として捉え、不動産業者や社会福祉法人など、現場を支える民間事業者とも連携を強化しながら、誰一人取り残さない居住支援の仕組みを実効性ある形で構築をしてまいります。


2.フラッグシップ道の駅による地域ブランド化の推進について

 道の駅は、一九九三年の制度創設から三十年ほどが経過し、現在では全国で千二百五十か所余りが整備されています。

 初めは、トイレや休憩所など、通過する道路利用者へのサービスの提供が主たる機能でしたが、最近では、道の駅が持つ地域との連携の拠点としての機能は次第に役割を増し、道の駅自体が観光や地域体験の目的地となるようなケースも増えています。

 山梨県内にも二十二か所、私の地元、甲州市にも道の駅甲斐大和がありますが、地域の魅力を発信する拠点として、そして地域活性化の起爆剤として、道の駅には大きな可能性があると私も常々考えていました。

 こうした中で、県は、地域の魅力や価値観を体感できるショーウインドーとして、県内各地域を上質な空間に変える特別なフラッグシップ道の駅の構想を進めています。

 その第一弾として取り組む道の駅富士川については、峡南地域に南アルプス市を加えた南山梨エリアの魅力を、朝を切り口としたブランド展開により訴求し、メディアツアーなどトライアル事業に取り組んできたと承知をしております。

 また、今年度からは、第二弾の東部地域について、道の駅つるを核に、地元の自治体などと連携し、ブランディングの方向性などの検討を開始するものと聞いております。

 県内各エリアを道の駅を中心に高付加価値化していくことの取組は、全国のモデルケースになると確信するところであり、その成功に向けて邁進する長崎知事の姿勢に大いに感服するとともに、その成果を県内全域に波及させていただきたいと大いに期待するところであります。

 そこで、フラッグシップ道の駅による地域ブランド化の推進について、これまでの取組を踏まえながら、今後、どのように展開していくのか、県の御所見をお尋ねいたします。

(長崎知事)

  道の駅は、地域の魅力を発信する拠点にとどまらず、地域資源の点を線に、さらに面へと展開し、付加価値を生み出す地域活性化の核となる力を秘めています。

 このため、県内各エリアに特別なフラッグシップ道の駅を構築することとし、その第一弾として道の駅富士川にて取組を進めてまいりました。

 昨年度は、朝をテーマとした特設サイトやメディアツアーにより、新たなエリアブランド南山梨の魅力を様々な媒体で紹介したところです。

 一方、この取組はまだ緒に就いたばかりであり、フラッグシップの名にふさわしい成果を上げるべく、今後さらなる事業展開を加速してまいります。

 具体的には、体験イベントや特設サイトの充実、特色ある地元食材を利用したメニューの開発などを通じ、上質な体験価値の発信強化に取り組みます。

 また、道の駅から南山梨各地の魅力的な地域資源へと来訪者を誘導できるよう、周遊促進機能を担うランドオペレーターの育成・配置を進めてまいります。

 さらに、フラッグシップ道の駅第二弾として位置づける、道の駅つるにおきましては、地域の強みや効果的なブランディング手法などの調査を進めております。

 今後は、地元自治体や事業者などの方々と調査結果を共有し、東部地域の魅力や価値を体感できる特別な場所の構築に向け、構想を策定してまいります。

 道の駅を核に、それぞれの地域が持つ感動や価値を多くの人々に届け、地域の高付加価値化に結びつける挑戦を関係者の皆様と力強く進めてまいります。


3.富士山噴火時の降灰対策について

 私どもの会派では、昨年二月、日本有数の活火山、桜島を抱える鹿児島県と鹿児島市を訪問し、先進的な火山対策を視察いたしました。

 鹿児島市では、大規模な噴火が発生した場合、市街地に大量の軽石火山灰が降り、住民の生命や生活に甚大な影響を与えるおそれがあることから、大量の軽石火山灰への対応計画を策定しており、これに基づき、住民への周知活動や防災訓練などが実施されています。

 また、同市では、大型、小型の路面清掃車や散水車が六十台配備されているほか、市民が火山灰を詰める克灰袋を無料配布して、指定場所で収集しているなど、降灰対応が市民生活に定着していることを実感しました。

 また、先日は、長崎県島原市にある雲仙岳災害記念館を訪れ、平成の大噴火当時の映像を基にした体験展示などにより、災害防災教育が行われており、これまでの復興の支援と歴史を伝える重要性を認識しました。

 一方、富士山において大規模噴火が発生した場合には、首都圏を含む地域が広く降灰に見舞われ、国民生活や社会経済活動に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

 特に、本県の富士北麓地域の市町村への降灰の影響は、首都圏以上に甚大であると考えられ、その影響範囲も、火口位置や風向きによっては、国中地域に広がる可能性があることから、本県の降灰対策の推進は喫緊の課題であると考えております。

 折しも、国では、本年三月末に、富士山大規模噴火時における広域降灰対策ガイドラインを策定し、自治体が降灰対応を進める際の考え方や留意点を示しました。

 これは、本県が代表幹事である火山防災強化推進都道県連盟の要望活動の成果の一つであると承知しており、大変評価をしていますが、中身を見ますと、首都圏など火山の遠隔地域を想定したものとなっており、本県のような火山災害警戒地域である都道県は、それぞれの実情を踏まえて独自に検討する必要があるとされています。

 火山灰は、他の自然災害と比べて直接的な人命の危険性は低いものの、除去しない限りなくならず、放置した場合、影響が看過できないものであることから、独自のガイドラインの策定を含め、降灰への早急な対応が必要であると考えます。

 そこで、山梨県では、富士山噴火時の降灰対策をどのように進めていくのか伺います。

(長崎知事)

 大規模降灰は、交通機関やライフラインなど、社会全体の機能を広域かつ長期に麻痺させるおそれがあることから、その対策は極めて重要であると考えています。

 県では、本年度から静岡県、神奈川県と共に富士山噴火時の降灰対策について、国のガイドラインを踏まえた独自指針の策定に取り組んでおります。

 具体的には、避難開始の判断時期や除灰に係る人員、資機材の配備、除灰作業の手順、火山灰仮置場の選定などを、国の機関を交えて検討してまいります。

 実際の降灰時の状況を想定し、火砕流や溶岩流など、他の火山現象への対応とも整合した実効性の高い指針となるよう、十分意を用いていく考えであります。

 一方、降灰からの避難は、屋内退避が原則であり、自宅での生活を継続できるよう、県民お一人お一人が、平時から備える意識を持つことが不可欠であります。

 そこで、県と市町村では、一週間程度の食料やゴーグル、防塵マスク、ヘルメットなどの家庭内備蓄を強く推奨しているところであります。

 また、県民の皆様が、降灰時に適切な行動を取れるよう、火山灰に関する正しい理解を啓発するためのイベントや出張講座、防災訓練なども行っております。

 このほか、ライフラインや物資供給などへの対応につきましては、事業者や他自治体などと協議を進め、独自指針や訓練に反映させていきたいと考えております。

 こうした備えの充実と対応力向上のための取組を促進しながら、富士山噴火による降灰被害の最少化に努めてまいります。

 次に、新型インフルエンザ等対策行動計画の改定についてです。

 改定前の計画には、平時の準備や有事の際の具体的な運用が十分に記載されておらず、また、進捗管理も適切に行われていませんでした。

 そのため、新型コロナ対応の初期段階では、病床や検査能力、衛生物資が不足し、手探りでの対応を余儀なくされるなど、計画は全く使い物にはなりませんでした。

 そこで、こうした反省と、新型コロナ対応で培った様々な経験を反映させ、次なる感染症有事にも円滑に対処できる実効性のある計画へと改定いたしました。

 この新たな計画では、旧計画に位置づけのない検査体制や物資の備蓄などを対策項目として追加するとともに、医療体制の強化など、既存の対策も充実させています。

 さらに、新型コロナ対応で構築した実施体制や仕組みなどを基に、県や関係機関が果たすべき役割と行動を明確にいたしました。

 また、議員御指摘のとおり、事前の備えが重要なことから、特に平時における取組も強化をしております。

 具体的には、協定に基づく病床や検査体制、宿泊施設の確保、感染症の専門医や認定看護師の要請、流通備蓄方式による個人防護具の備蓄などに取り組んでまいります。

 加えて、取組状況を毎年度フォローアップするとともに、関係機関と連携した実践的な訓練を通じ、検証を行い、計画の実効性を高めてまいります。

 この新たな計画に基づき、平時からの備えを着実に進め、県民の皆様の生命と健康、暮らしを守るべく感染症に強靱な社会の実現に向けて取り組んでまいります。 


4.「新型インフルエンザ等対策行動計画」の改定について

 新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが五類に移行し、二年が過ぎたところです。

 全国的に、通常の生活、経済活動が戻り、県内においても各地で様々なイベントが開催され、多くの観光客により活気に満ちております。

 特に、海外からのインバウンドは、コロナ前の水準を超えて増加し、県内を含め、日本各地でオーバーツーリズムが問題になるほど、外国人観光客であふれかえっております。

 こうした経済活動が活性化する一方で、インバウンドの急拡大により、これまで国内で流行したことのないウイルスの蔓延も懸念されるところです。

 海外に目を向ければ、アフリカの多くの国で感染が急増したエムポックスは、世界保健機関が昨年八月に公衆衛生上の緊急事態を宣言し、今も継続されています。

 私は、こうした感染症関連のニュースを見聞きするたびに、厳しかった新型コロナの記憶が呼び起こされます。

 新型コロナへの対応では、それ以前の感染症対応の経験が蓄積されておらず、事前の備えが十分でなかったため、初動体制に大きな支障が生じたものと認識しております。

 こうした教訓を踏まえると、平時から有事を想定して準備を進めることが肝要であると考えます。

 本県では、知事のリーダーシップの下、先手対応で多くの対策が進められてきましたが、こうして得られた様々な経験の記憶は日々薄れていくことから、記憶の新しいうちに、次なる感染症危機にしっかりと生かしていく必要があると考えます。

 こうした中、県では、先月、新たな感染症の発生に備え、行動計画を抜本的に改定したと今議会に報告がありました。

 そこで、計画改定に当たっての考え方とポイントについて伺います。

(長崎知事)

 


5.山梨ワインの輸出拡大に向けた取り組みについて

 私の地元、甲州市にある中央葡萄酒が中心となって進めている山梨ワインの輸出プロジェクト、いわゆるKOJは、発足から十七年を迎えました。

 当初から、世界最大級のワイン消費地であり、市場として最も重要視されるロンドンでのプロモーションを実施し、山梨ワインの魅力を継続的に発信してきました。

 この結果、KOJによると、二〇一四年に約一万九千本だった山梨ワインの輸出量は、二〇二一年には五万本を超えております。和食に合うワインとして高いポテンシャルを有する山梨ワインは、海外における日本料理店の増加と相まって、今後、ますます海外での需要が高まるものと考えています。

 その一方で、海外のワイン市場を見ると、山梨ワインの最大の輸出先である中国が、消費地としてだけでなく、輸出国としても存在感を高めています。

 また、北海道や長野など国内の他産地との競争も激しくなっており、近年、山梨ワインの輸出量は横ばいとなっております。

 このような状況を踏まえ、県では、海外プロモーション活動を大幅に見直すため、海外市場の調査を実施して、新たな輸出先の選定を進めるとともに、ロンドンでの活動も改善を図ってきたと承知をしています。

 これと連動して、県では、来年三月に実施されるマスター・オブ・ワインのジャパンツアーを本県に誘致しました。世界のワイン市場に大きな影響力を持つマスター・オブ・ワインに向けて、山梨ワインやテロワールを直接アピールする絶好の機会であります。

 このような一連の取組は、ワイナリー数、日本ワインの生産量ともに日本一を誇る山梨ワインの存在感を、海外においても高めていくものと大いに期待しております。

 今後、山梨ワインが海外でより多くの方々に選ばれるためには、市場ニーズを的確に捉え、これに応じて戦略的にプロモーションを行っていくべきと考えています。

 そこで、山梨ワインの輸出拡大に向けて、県はどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。

(長崎知事)

  これまでのKOJの活動は、甲州ワインを世界に知らしめる上で画期的な意義を持ち、国際的な認知度の向上という点で大きな役割を果たしてまいりました。

 こうした取組によって一定の成果が得られた一方で、山梨ワインの持つ本来の実力を、より広く、深く、そして持続的に世界に発信していくためには、プロモーションの進化が求められていると認識しております。

 このような問題意識の下、昨年度は職員をロンドンでのプロモーションの現場に派遣し、取組の実態と課題の洗い出しを行った上で、県として新たな戦略の構築に取り組んでまいりました。

 見えてきた課題は、大きく三点あります。

 第一に、プロモーションの地域的な偏重、すなわちロンドンへの依存が強く、世界の他の成長市場への展開が不十分であること。

 第二に、山梨ワインの魅力が、国際市場で影響力を持つキープレイヤーに十分に訴求できてはいないこと。

 第三に、世界的にワイン消費地の重心がアジアへと広がる中、こうした新興市場へのアプローチが後手に回っていること。

 これらの課題に対応するべく、県としては、情報発信の抜本的強化、アジア市場への挑戦、ロンドン事業の再構築という三つの柱からなる新たなプロモーション方針をKOJに提示し、その実施について理解をいただいたところであります。

 まず、情報発信の抜本的強化といたしましては、この七月に世界最高権威のワイン専門誌、デキャンターの記者を本県に招聘し、山梨のテロワールやワイン文化を体感していただいた上で、特集記事として世界に向けて発信をしていただきます。

 さらに、来年の三月には、国際市場において強い影響力を持つ世界最高の資格保有者であるマスター・オブ・ワイン、約三十名の皆様を山梨にお招きし、現地での体験を通じて本県ワインへの理解と評価を一層深めていただく機会を創出いたします。

 次に、アジア市場への挑戦といたしましては、十一月にシンガポールで開催されるデキャンター主催の国際商談会に出展をし、経済成長が著しいアジア市場、とりわけASEAN地域における新たな販路開拓とブランド浸透を図ってまいります。

 そして、ロンドン事業の再構築といたしましては、来年の二月に、世界有数のワイン教育機関でありますWSETとの連携の下、ロンドンにおいてテイスティングやセミナーを開催し、専門家や流通関係者との関係強化を通じて、山梨ワインの国際的プレゼンスをより確かなものとしてまいります。

 このように従来にはないスケールと質を持った異次元のプロモーションを官民一体で展開し、世界におけるワイン産地としての地位確立と、山梨ワインの輸出拡大を力強く推進してまいります。


6.国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の選手強化及び指導者の自立・自活に向けた取り組みについて

 昨年、フランス・パリで開催された第三十三回オリンピック競技大会では、レスリング男子グレコローマンスタイルで金メダルを獲得した文田健一郎選手や、卓球女子団体で銀メダルの平野美宇選手、柔道女子個人で銅メダルの舟久保遥香選手など、本県出身選手が世界のひのき舞台で大いに活躍をいたしました。

 また、国内では、昨年十月に佐賀県で開催された国民スポーツ大会において、本県は総合得点九百七点を獲得し、天皇杯男女総合成績で第二十六位という、平成二十八年度の岩手国体以来の高得点、高成績を収めました。

 こうした競技成績は、人口約七十九万人の本県の各競技団体が、選手の能力を最大限発揮できるよう創意工夫しながら指導に努めるとともに、選手の発掘や育成・強化に取り組んできた、県及び各競技団体、関係者の方々のたゆまぬ努力のたまものと承知をしています。

 今後も、山梨県出身の選手が各種大会において活躍するためには、県や県スポーツ協会、各競技団体などが継続して選手強化に取り組んでいくことが重要であると考えます。

 一方、選手は第一線で活躍できる期間に限りがあり、競技を終えた後の人生設計について考えていかなければなりません。

 選手の中には、第一線を退いた後も、引き続き競技に携わり、例えば指導者の道に進み、次世代の選手育成に携わりたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

 私の知人も指導者として後進の育成に関わっており、各種大会に向け、日々選手と向き合い、指導に当たっています。

 しかし、多くの指導者が、本業を持ちながらボランティアなどで指導に当たっているのが現状だと思います。

 私は、指導者が選手のパフォーマンスを最大限に引き出し、その能力をさらに伸ばしていくためには、指導者の生活基盤を安定させ、指導に注力できる環境を整備することが重要であると考えます。

 そこで、国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の選手強化及び指導者の自立・自活に向けた取組について伺います。

(観光文化・スポーツ部長)

  本県スポーツの競技水準を底上げするためには、成長段階に応じ、的確に選手の発掘・育成・強化を行い、このサイクルを継続していくことが重要となります。

 そのため、県では、世界で活躍できるアスリートの早期発掘・育成に向けて、様々な競技を体験し、自身の能力を見いだす甲斐人の一撃事業を実施しております。

 本年度からは、対象を小学校高学年から中学生に拡大し、自らの潜在能力を引き出す競技とマッチングさせ、子供たちの可能性を広げてまいります。

 また、新たにパラスポーツ部門を加え、障害のある方々にも自らの適性に応じた競技に出会い、自身の持つ可能性に挑戦できる機会を提供いたします。

 こうして育成した選手の能力をさらに引き上げ、国内外で活躍できるよう、県では各競技団体が行う強化合宿や試合などを引き続き支援してまいります。

 このような選手育成・強化の過程において中心的役割を担う指導者ですが、議員御指摘のとおり、コーチングに集中できる環境が十分であるとは言えません。

 このため、県では、指導者がコーチングのみで経済的に自立し、その指導能力を十分に発揮するためには何が必要なのかを研究しているところです。

 研究を進めるに当たり、実際に指導者を雇用している地域総合型スポーツクラブや民間スポーツクラブの組織体制や収益構造なども調査してまいります。

 この調査結果を分析した上で課題を整理し、コーチングに専念できる仕組みの構築に向けて検討を進めてまいります。


7.安全で快適な富士登山環境の実現について

 近年、インバウンド観光客の急増により、全国各地でオーバーツーリズムによる問題が引き起こされており、観光客の集中による混雑にとどまらず、ごみのポイ捨てやマナー違反など、その影響は広範囲に及んでいます。

 富士山も例外ではありません。

 富士登山におけるオーバーツーリズムは、単に登山者が多いというだけでなく、山小屋に泊まらず、一気に山頂を目指す弾丸登山や、防寒具、雨具などを持たない軽装での登山者など、問題は多岐にわたっておりました。

 こうした中、県では昨年度、登山者の数の抑制や弾丸登山の防止を目的として登山規制を行ったほか、通行料を徴収し安全登山対策を進めるなど、富士登山環境の改善に向けた様々な方策を講じられました。

 その実現には多くの困難があったものと推察いたしますが、地元関係者との緊密な連携の下、実施されたオーバーツーリズム対策は、大きな成果を上げ、高く評価されております。

 前例にとらわれることなく、積極果敢に課題解決に取り組まれ、これまでにない登山規制を実現された長崎知事の指導力に、深く敬意を表するものであります。

 世界文化遺産としての富士山は、信仰の対象及び芸術の源泉という唯一無二の価値を持っています。この価値を国内外から訪れる多くの方々が十分に感じることができるよう、安全で快適な登山環境を提供することは、本県に課せられた大きな責務であります。

 県が昨年度より実施している登山規制は、富士山そのものの保全だけでなく、快適な登山環境の実現を通じて、富士登山自体の体験価値の向上にもつながっており、本県に課せられた責務を果たす上で、大きな一歩となりました。

 一方で、この取組は始まったばかりであります。検証と改善を繰り返すことにより、富士山を訪れる全ての方々に満足していただけるような環境を継続して整えていくことが重要と考えます。

 そこで、安全で快適な富士登山環境の実現に向けて、県ではどのように取り組んでいくのか伺います。

(長崎知事)

 登山における安全性や快適性の確保に向けて万全の対策を講じていくことは、富士登山の体験価値の向上を図る上で非常に重要であります。

 このため、県では、昨年度初めて実施した登山規制で得られた知見を踏まえ、本年度の富士登山対策を大幅に充実・強化しております。

 まず、五合目ゲートの閉鎖時間の前倒しや、権限を強化した富士山レンジャーの指導により、弾丸登山や軽装登山の抑止を図ります。

 また、富士登山を安易に考え、軽装で登る外国人が多く見られたことから、通行予約システムの対応言語の拡充に併せ、登山ルールの徹底を図ることといたしました。

 さらに、富士山適正化指導員への救護研修の実施や、七合目救護所の全期間開設に加え、閉山後にシェルター整備に着手し、安全対策を一層充実させてまいります。

 加えて、現在の富士山において、五合目への来訪者の集中も課題であることから、富士山の新たな楽しみ方の提案を通じて分散化に取り組む必要があります。

 このため、吉田口や精進口など、古くからの登山道を再興し、富士登山の多様化を進めることで、富士山の文化的意義の理解促進と来訪者の分散化を図ります。

 今後も富士山を訪れる方が、富士登山の価値を十分に実感できるよう、不断の検証と改善を積み重ねながら、安全で快適な登山環境の確保を図ってまいります。 


8.山梨デザインセンターの取り組みについて

 県では、昨年十一月、工業デザインだけでなく、地域デザインや政策デザインに取り組む新たな形の総合型拠点施設として、山梨デザインセンターを開設いたしました。

 山梨デザインセンターは、デザインの力で各産業の高付加価値化を推進するとともに、地域活性化や社会課題の解決を図っていくことを目的としています。

 昨年度は、伝統産業事業者とセンターのコラボレーションにより、本県でしか手に入らない高品質な土産品を開発するとともに、県庁内での政策形成にデザイン思考を活用するスキームを整備するなど、デザインの力を活用した取組により、デザイン先進県の構築に向け、着実に進んでいます。

 私の地元である甲州市には、国宝大善寺をはじめ、多くの文化財や県内有数の生産量を誇る果樹、また、日本のワイン発祥の地としての歴史など、恵まれた地域資源がありますが、県内市町村にはそれぞれに魅力ある地域資源が数多く存在します。

 私は、これらを有機的に結びつけることで、より効果的に地域をアピールできるのではないかと常々感じていました。

 こうした思いを抱いていたところ、知事は、昨年六月定例会の我が会派の代表質問に対して、地域デザインは地域資源をどう組み合わせ、パッケージングすれば提供価値が高まるのか、その道筋を明らかにするものと答弁をされました。

 数多ある地域資源をうまく組み合わせ、提供価値を高めることが、今まさに求められており、地域デザインに取り組むことの意義に深い共感を覚えたところです。

 県内各地で生まれた、地域ならではの農産物や特産品、また、古くから技術力で高い評価を受けてきた地場産業には、その地域の成り立ちや持ち味など、それぞれが持つ背景や歴史があります。

 このような下地を基に、デザインの力で地域資源の付加価値をさらに高め、地域の強みとして活用していくことが、ますます重要になると考えます。

 そこで、山梨デザインセンターでは、今後どのように取組を進めていくのか伺います。

(長崎知事)

 本県には、自然や歴史、産業、そして人々の暮らしに根差した個性豊かな地域資源が数多くあります。こうした資源を単体ではなく、背景にある文化や風土、人々の思いと併せて伝えていくことで、より深い魅力と価値が生まれます。

 このような視点を文化的テロワールと呼びます。つまり土地ごとの物語や空気感を含めて価値を再構成し、外に伝えていく考え方であり、まさに山梨らしさを形にしていく営みであります。

 山梨デザインセンターは、この文化的テロワールを起点に、地域資源を見つめ直し、組み合わせ、デザインの力で新たな価値へと導く拠点として機能しています。

 具体的には、伝統産業と現代の暮らしをつなぐ商品の開発、地域のストーリーを生かしたブランドづくり、さらには、観光や農業、福祉など多様な分野と連携したプロジェクトに取り組んでおり、そうした活動を通じて山梨らしさを内外に発信しています。

 今後とも、デザインセンターを核に地域の個性と魅力を引き出し、山梨の価値を次の世代につなげていけるよう取組を着実に進めてまいります。


9.県産果実の生産振興とブランド力の向上について

 本県が誇る生産量日本一のブドウ、桃、スモモをはじめとした県産果実は、恵まれた気候風土や先人から引き継がれた卓越した技術、生産者のたゆまぬ努力により、世界に誇る品質として高く評価されています。

 私の地元の峡東地域では、盆地特有の自然条件を生かした伝統的な果樹農業が営まれ、本県果樹生産の約六割を占める一大産地として発展してきました。

 また、峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システムは、世界農業遺産にも認定されており、これまで築き上げられた果樹産地をしっかり次世代に引き継ぎ、今後も維持・発展させていくことが、私ども産地の大きな使命と感じているところです。

 県ではこれまで、生産者の所得向上を実現するため、果樹産地の生産基盤の強化や、県産果実のブランド価値の向上などに取り組んできました。

 その結果、本県の令和五年の果実生産額は、国内外で人気のシャインマスカットが牽引し、七百十億円を超え、輸出額も約二十億円と好調な状況が続いています。

 一方、近年、国内外の他産地との競争が激しくなっていることから、本県が選ばれる産地であり続け、消費者の信頼を得られるようブランド化の取組が重要です。

 こうした中、シャインマスカットについては、県やJAグループなどで、全国初となる光センサーとAIにより、糖度や外観を判別する選果機の開発と実証に、本年度から取り組むことと承知をしており、早期の実用化を期待しているところであります。

 また、桃やスモモについては、長雨や猛暑などの影響や、栽培面積の減少に伴って市場出荷量が年々減少していると聞いております。

 今後も日本一の果樹産地を守るためには、高品質な果実を安定的に市場に出荷することが重要であり、生産拡大に積極的に取り組んでいくことが必要です。

 さらに、こうした取組に加え、ブドウや桃などの県オリジナル品種の早期産地化を図り、やまなしブランドの価値を一層高めることも必要であると考えます。

 そこで、県では今後、県産果実の生産振興とブランド力の向上に、どのように取り組んでいくのか伺います。

(長崎知事)

 県では、国内外から選ばれる果樹産地としてあり続けるため、生産・流通・販売の三位一体の高度化に取り組んでおります。

 まず、桃、スモモにつきましては、栽培面積の拡大に応じた農業用機械の導入への支援を創設し、出荷量の増加を図っております。

 また、オリジナル品種の産地化につきましては、ブドウのサンシャインレッドや、桃の夢桃香などへの改植をさらに進めていくとともに、品質の向上に努めてまいります。

 さらに、篤農家のたくみの技を見える化したスマート農業技術を活用することで、新規就農者や経験の浅い雇用労働者でも高度な作業が可能となります。

 加えて、施設栽培のシャインマスカットで収量を通常の約二倍にするデータ農業の普及を図り、飛躍的な生産性の向上につなげてまいります。

 また、圃場や農道などの基盤整備につきましては、年間百ヘクタールの整備面積を目標に掲げ、計画的に整備を進めております。これによりまして生産性の高い果樹園に再編された地域では、農地の収穫・集約化が進み、作業の効率化やコストの削減が図られています。

 こうした生産条件のよい農地について、規模拡大を目指す新規就農者にも提供をし、果樹農業の将来を支える担い手の確保につなげてまいります。

 さらに、産地間競争が激しさを増すシャインマスカットにつきまして、JAなどと連携をし、全国初となるブドウ選果機の開発・実証に取り組んでおります。

 来月からは、糖度などを測定するデータの蓄積を開始し、できるだけ早く品質の保証を実現いたします。

 また、ふるさと納税の返礼品におきましては、品質確保を徹底するとともに、消費者の信頼を損なう行為に関しましては、断固たる態度で臨んでまいります。これらによりまして消費者の信頼に対する保証を確保し、県産果実のブランド力を強化いたします。

 加えて、4パーミル・イニシアチブの取組や、グリーン水素の活用などによるカーボンフリー農業の推進により、本県独自の付加価値を高めてまいります。

 こうして高めた県産果実の価値をSNSによる発信や店舗でのフェアなど、デジタルとリアルを組み合わせたプロモーションにより、消費者に広く訴求をしてまいります。 


10.峡東地域における幹線道路の整備について

 峡東地域は、果樹農業と歴史文化が融合する地域であり、観光と産業の両面において高いポテンシャルを有しております。

 私の地元である甲州市内においては、武田信玄公の菩提寺として広く知られる恵林寺をはじめとして、歴史的・文化的価値の高い文化財が点在しており、四季折々の自然と調和した景観とともに、本市の魅力を形成しております。

 また、甲州種を中心とした高品質なワインの生産地としても広く知られており、市内各地に点在するワイナリーでは、国内外から高い評価を受けるワインが製造されております。

 こうした歴史、文化、自然、産業の多様な魅力により、県内外から数多くの観光客が訪れております。

 さて、峡東地域には、中央自動車道及び西関東連絡道路といった広域交通ネットワークが整備されており、観光客が多く利用するとともに、これらは地域の経済・産業の基盤として重要な役割を果たしています。

 しかしながら、これらの広域幹線道路に接続する甲州市内の道路については、十分な整備がされているとは言い難い状況があります。

 こうした中、長崎知事には、昨年の私の代表質問に対し、西関東連絡道路と市内を結ぶ道路整備について、県が主体となって検討を進めていく旨の御答弁をいただいたところであります。

 一方で、甲州市中心部と中央自動車道の勝沼インターを結ぶルートについては、国道四百十一号が主要な路線として、現在、県において整備が進められていますが、未改良区間が残されており、早期完成が望まれております。

 また、この路線の等々力交差点からその先の国道二十号に至る県道及び市道においては、幅員が狭隘な区間が存在することに加え、勝沼インターまでの経路に迂回感があることから、観光客などの道路利用者からは分かりにくいとの声を度々耳にしているところであります。

 さらに、勝沼インターの最寄りに位置する国道二十号の柏尾交差点は、観光シーズンには交通の集中により渋滞が発生しております。

 甲州市の観光資源と産業基盤を支え、持続可能な地域づくりを進めていくためには、こうした課題を解決するための道路整備が不可欠であります。

 そこで、甲州市中心部と勝沼インターチェンジとのアクセス強化に向けた県の御所見を伺います。

(県土整備部長)

  甲州市中心部から勝沼インターへは、国道二十号を経由してアクセスしますが、国道や県道、市道から国道二十号に接続するルートが複数あります。

 このうち、国道四百十一号から県道白井甲州線を経由し、国道二十号に接続する柏尾交差点へ至るルートが主要なものとなっております。

 県では、狭隘区間のある国道四百十一号の西広門田橋南交差点から等々力交差点までの二・三キロメートルにおいて、道路改良事業を進めております。これまでに一・八キロメートルが完成し、残りの〇・五キロメートルについても、昨年度末に用地取得が完了したため、引き続き工事を進めてまいります。

 また、柏尾交差点においては、勝沼インターへ向かう右折車両が多く、交通容量を超えていることが渋滞の要因となっております。

 当面の対策として、この交差点へ向かう交通を分散させるため、周辺道路において路面標示や案内標識の見直しを行い、別ルートへの誘導を図りました。

 その結果、観光シーズンに最大約一・三キロメートル発生していた渋滞が、昨年の調査では、約〇・七キロメートルまで減少し、一定の効果が確認されました。

 議員御指摘の等々力交差点から国道二十号までの区間については、この対策に加え、既存の道路ネットワークを生かした整備が必要であります。

 今後は、地元甲州市と連携しながら、道路計画の策定に向けた検討を進めてまいります。


11.県庁におけるカスタマーハラスメントへの取り組みについて

 近年、民間企業では、顧客、取引先、施設利用者などによる社会通年上相当と認められる範囲を超えた言動、行動に対しては、いわゆるカスタマーハラスメントとして、労働者の職務環境を守る必要があるとの認識が常識になりつつあります。

 一方で、地方自治体においては、住民の声に応えるのが公務員の役目とされてきた風潮を強く意識する一部の住民から、職員に対して過剰な要求や威圧的な言動がなされることが少なくないと承知をしています。

 さらに、昨今のSNSの発達により、誰でも簡単に不特定多数に向けて発信ができるようになった反面、他県では、職員個人の名前や顔写真がSNS上にさらされ、誹謗中傷が拡散された事例もあったと側聞しています。

 私の地元である甲州市の市役所においても、対応した職員の退職まで求めるなど、一部住民の要求がエスカレートし、その対応に苦慮した事例があったと聞いています。

 県庁でも、これから社会通念上不相当な要求・発言や、職員の人格を否定する行為がなされ、それを放置すれば職員の精神的負担は限界に達し、メンタル不調による休職や離職の増加を招きかねません。それは、最終的には、県民が享受することができる行政サービスの質の低下にもつながります。

 県民との適切な関係の構築を図ると同時に、職員の人権、尊厳を守る体制を整備し、働きやすい環境をつくっていくことが、よりよい県政を実現する上で不可欠であります。

 昨年九月の議会において、ハード・ソフトの両面において職員をカスハラから守る対策をしっかりと進めてまいるとの答弁がなされましたが、これは私の問題意識と軌を一にするものであると考えています。

 そこで、働きやすい職場環境の実現のため、県庁において、カスタマーハラスメントに対し、これまでどのように取り組み、また今後どのように取り組むのか伺います。

(総務部長)

 カスハラ対策は、職員が安心して働ける環境を整え、その結果として質の高い行政サービスの提供につながることから、極めて重要であると考えております。

 そこで、まずカスハラ対策の基本方針となるマニュアルを三月に策定し、四月から運用を開始しております。

 この中では、県民の皆様からのお問合せや御意見に対しては、これまでどおり真摯にお話をお伺いをし、丁寧な対応を心がけるべき旨を明確にしております。

 その上で、暴言や長時間の拘束など、社会通念上不相当と認められる発言行為があった場合には、その場の対応を一旦区切らせていただくことといたしました。

 あわせて、暴力など職員の心身に著しい負担となる行為があった場合には、法的措置を講じるなど、組織として毅然とした対応を行います。

 また、各所属で通話を録音する装置の設置を可能としているほか、自動音声による録音を告知する機器の設置を進めてまいります。

 加えて、執務室から離れた場所で気分を落ち着かせて対話ができるよう、新たに別館に設置したフリースペースを効果的に活用いたします。

 今後、これらの制度の運用状況を確認するとともに、必要に応じて随時施策を修正・追加することで、実効性のある取組を進めてまいります。


12.県立高等学校の魅力向上について

 人口減少社会と言われて久しい昨今、本県における令和六年の出生数は四千百五十三人と、戦後最少となっており、急激な少子化が進行しています。

 少子化による社会の変化は、教育分野にも例外なく影響を及ぼしており、例えば県立高校入試では、近年、入学志願者数が減少し、応募定員を満たさない県立学校が幾つも出てきており、大変危惧しております。

 私が思う県立高校の強みは、長い年月をかけ受け継がれてきた伝統に加え、地域と連携した学びを展開できるというところであり、そこには、進学を希望する生徒にとっても大きな魅力の一つになり得ると考えています。

 県外ではありますが、一つの例として、以前、私が視察した群馬県立尾瀬高等学校があります。この学校は普通科と自然環境科があり、一学年六十人ほどの小さな高校ですが、生徒を全国から募集しており、下宿生もいます。

 卒業生が高校三年間の学びを振り返る発表会を拝見いたしましたが、尾瀬高校で行われている探究的な学習が地域に深く根差し、高く評価され、必要とされていることに感銘を受けました。

 私の地元の高校でも、生徒たちが地域や民間企業と連携した探究プログラムに取り組むことは、地元の魅力を再発見する機会となり、生徒たちにも大変好評であると伺っています。

 これらのような探究的な学習における地域連携は、県立高校のさらなる魅力向上を考える上で、大きなヒントになると言えるのではないでしょうか。

 本県においても、これまで各県立高校が魅力向上に取り組んできていることは承知をしておりますが、少子化の中、県立高校のさらなる魅力向上にどのように取り組んでいくのか伺います。

(教育長)

 高校無償化の進展による私立高校志向の高まりなどから、中学生の公立離れが進むのではないかとの指摘があることは承知しております。

 こうした状況を踏まえ、県立高校においては、これまで以上に教育の質を高め、生徒や保護者に選ばれる魅力ある学校づくりを進めていく必要があります。

 現在、国際バカロレアなどをはじめとするグローバル化に対応するための取組を行い、その成果の他校への普及に努めております。

 また、スーパーサイエンスハイスクールやDXハイスクールなどの取組により、科学技術系人材あるいはデジタル人材など、時代に求められる人材育成も進めております。

 さらに、本年度から職業系高校の教育の充実を図るための寄附制度を設け、最新の設備による先端的な教育の実現に向けた環境づくりを進めております。

 また、議員御指摘のとおり、県立高校は、長年積み上げてきた伝統や地域との密接な関係の下、多様な学びを提供できる強みを有しております。

 こうした強みを生かし、生徒が地域課題の解決に取り組んだり、地元自治体や企業と連携して独自商品を開発したりするなど、地域と協働した学びを推進しております。

 例えば、笛吹高校が地域や産業界の支援を得て展開している、教科横断STEAM型の探求活動は、全国的にも注目されています。

 本年、新たに開催する高校生探求合同発表会では、成果を他校と共有し合うことで、相互に刺激を受け、新たな視点の獲得につながるものと考えております。

 さらに、小中学生の参加を通じ、早くから高校の探求的な学びに触れることで、地域の高校への興味や憧れを持ってもらえる機会にもなることを期待しています。

 加えて、生徒の学びの継続性の観点から、今後の中高一貫教育の導入について検討を進めるほか、大学との一貫性を持ったカリキュラム開発についても研究を進めてまいります。

 これからも地域や学校同士の連携を強化しつつ、各県立高校の取組の成果を広く発信するとともに、新たな魅力づくりを進め、地域の中学生に選ばれる学校を目指してまいります。 


13.県警察の富士山噴火対策について

 富士山は、過去に幾度となく噴火を繰り返してきており、江戸時代中期の宝永噴火以降、沈静化を続けている状況から、この先、いつ噴火してもおかしくないわけであり、噴火時には広範囲にわたり甚大な被害を及ぼすと、富士山を研究する有識者は警鐘を鳴らしております。

 また、国や県をはじめとする関係自治体や機関で構成する富士山火山防災対策協議会では、新たな知見を基に、噴火による影響範囲等の検討を行い、令和三年三月に富士山ハザードマップの改定を、さらに令和五年三月には富士山火山避難基本計画の改定を公表しております。

 こうしたことからも、富士山噴火対策については、県民の安全・安心に直結するものと認識できるところであり、地域住民はもとより、将来を担う子供たちにも、その知識と対策をしっかりと浸透させる必要があると考えます。

 県警察においては、過去に発生した数多くの自然災害の現場に警察官を派遣し、被災地での救出救助活動や治安維持活動に従事されてきたものと承知をしております。

 また、近年では、令和六年に発生した能登半島地震においても、広域緊急援助隊を派遣し、余震の続く中、安否不明者の捜索や倒壊した住宅からの救出救助活動に当たったほか、その後も多くの警察官を被災地に派遣し、治安維持活動や復興活動の基幹となる緊急交通路の確保など、様々な活動に従事されたと聞いております。

 やはり、大規模な災害が発生した場合、警察に対する県民の期待は非常に大きいものであると考えます。

 今後、富士山が噴火した場合、溶岩流や噴石、火山灰など、様々な噴火現象が想定される中で、地元住民とともに、富士山や富士北麓地域を訪れる外国人観光客などの避難措置が求められます。

 そこで、地元住民や観光客の避難誘導など、富士山噴火に備えた県警察の対応について伺います。

(警察本部長)

 県警察では、令和四年三月に、警察本部警備部内に富士山噴火対策係を新設し、富士山噴火に備えた体制の強化を図っております。

 また、職員の対応能力の向上を図るため、噴火の際に必要となる対応について、専門家の意見を基に各種訓練を行っております。

 昨年の主な訓練としましては、六月に富士スバルライン自主防災協議会などと連携し、富士山五合目周辺における登山者・観光客の避難誘導の訓練を実施しました。この訓練では負傷者の搬送を行ったほか、外国人の登山者や観光客を想定し、外国語やピクトグラムにより避難を呼びかけました。

 十一月には、関係機関・事業者の参加をいただき、富士山噴火時における河口湖周辺の住民・観光客などの避難誘導の訓練を実施しました。

 この訓練では、河口湖畔の道路の渋滞を想定し、実際に観光客などを観光遊覧船で河口湖北岸に避難させる動きを確認しました。

 さらに、県では、大規模災害時における外国人観光客の帰国支援について、秋の取りまとめを目指し、当県を含む中央日本四県で議論を進めていると聞いております。

 本研究は、南海トラフ地震を想定したものですが、県警察としても議論の動向を踏まえ、今後、必要に応じて県と連携して対応してまいります。

 県警察では、富士山噴火により想定されるあらゆる事態に備え、今後も様々な訓練を実施するなど、関係機関との連携を進め、対応能力の向上に努めてまいります。


(以上)